「工学博士の笑い学」:英語で笑いがとれるスピーチのネタ集
工学博士の笑い学
著:浅井滋生日本語では面白いスピーチ、お笑いネタ、ギャグなどを英語で言うとどうなるんだろう?と考えたことはありませんか?
私がカナダに住んでいたころ、パブやバーなどで、よくコメディショーをやっているのを見に行きました。
ですが、ところどころ、笑いが起こるポイントが違うことに戸惑ったことを覚えています。
私が笑うところで、周りのカナダ人の友人たちは笑わない。
彼らが笑うとこで、私は「??」。
「笑い」と言うものには、ある程度共通のバックグラウンドが必要だということに気づいたのは、かなり後になってからでした。
今回、ご紹介したいのは、名古屋大学名誉教授の浅井滋生先生の、出来立てほやほやの書著「工学博士の笑い学」です。
130ページにわたり、「笑い」と「英語」と「スピーチ」について、たくさんの例文とともに紹介されています。
- 人はいつ笑うのか?
- 川柳を英訳するとどういう表現になるのか?
- 文化的背景の異なる小噺は世界共通の小噺となるのか?
という、普段日本語で笑いを理解しているときには、考えもしなかった「英語脳」での笑いのエッセンスが盛りだくさんの内容となっています。
中でも、私がよく覚えているのが、平成19年の年賀状の川柳。
歳かなー、妻と言う字を毒と読み
と言うもの。
もちろん、英語での表現は、この本の中に解説付きで載っていますが、妻を「wife」、毒を「knife」と訳したところに、目からウロコがポロリと落ちました。
このように、英語では表現できない漢字の要素をも、韻を踏むことによって笑いに変える、このセンスは素晴らしいと思いました。
英語脳が育っていない初級英語学習者の方にこそ読んでほしい
この本は、基本日本語で書かれていて、「笑い」をテーマに川柳と小噺等を用いて、日本と英語圏の国との文化的背景の違いをどのように言葉で吸収し、共通の笑いとして認識するか、という壮大なテーマで書かれています。著者が工学博士だし、もしかしたら、難しいのでは?
と思われる方もいるかもしれませんが、終始一貫して簡単な言葉や表現が使用されているため、専門用語のような難しい言葉はほとんど出てきません。
川柳と小噺は、日本語と英語が併記されているので、読み比べていくうちに、日本語と英語の共通点・相違点が手に取るようにわかります。
英語の勉強という視点ではなく、文化的背景を知ることによって、英語を知るという、新しいアプローチにより、「英語脳」を作るのに最適な1冊です。
日本語と英語をいつも1対1で訳してしまうという方には、特におすすめですよ。
英語でスピーチをしなければならない人のネタ帳に
とにかく例文が豊富。これまで浅井先生が書き溜めてきた川柳が満載なので、いかなるシチュエーションにもピッタリとハマる、川柳があるはず。
英語でのスピーチでは、やはり笑いの要素を含めたい。
ただまじめな話で終わりたくない、という方には必読の1冊ですね。
少し長めの小噺や、格言などもありますので、どれか1つでも覚えておくと、いざ英語でスピーチを!という急な依頼にも対応できるはず。
ユーモアを育てたい、という方にもおすすめです。
浅井先生ってこんな人
浅井先生は、私が以前に働いていた会社で大変お世話になった方で、ユーモアのある、穏やかで、テニス好きの工学博士です。先生は、川柳がお好きで、毎年の年賀状に社会情勢をピリッと辛みの効いた自作の川柳に乗せ、交流のあった方々に送っていらっしゃいました。
いつか、川柳を英訳して、ご自身の本を出したいと、ずっとおっしゃっていたので、ついに出版となり、私もとても嬉しいです。
少しだけ、英訳をお手伝いさせていただいたこともあって、今回先生の本がついに形になったということで、私にも1冊送っていただき、なんとあとがきに名前まで乗せていただきました。
浅井先生、ありがとうございます!!
そんな、とても暖かい心であふれるやさしい先生なのです。
お話し好きで、博識で、先生の周りにはいつも笑いが絶えません。
私の大好きな先生の1人です。
自分の頭の中の英語のデータベースに是非入れておきたい1冊
先日、企業のホームページの英訳をさせていただいたのですが、キャッチ―なメッセージ要素の強い表現の英訳に、本当に苦労しました。その時に、助けとなったのが「工学博士の笑い学」です。
川柳と言う短い表現に、いかに言いたいことを乗せるか。
どれだけ、読み手にインパクトを与えられるか。
こういった視点での解説に助けられました。
お笑いに興味があってもなくても、英語を勉強する方に、是非。
Amazonで「なか見!検索」ができるので、リンクを貼っておきます。
興味のある方はご参考までに。
「工学博士の笑い学」
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